maru32’s diary

A.B.C-Zが大好き。五関晃一くんが好き。ただ、ただ、それだけ。

ファウスト~最後の聖戦~感想 長いバージョン①

以前の予告どおり、今度は感想を長く、アツく、語りたいと思います。お話の内容について、というよりは舞台を“見た”感想、です。

演劇、芝居、歌、ダンス、すべてにおいてシロウトで、目が肥えているわけでもない、たんに五関くんが好きというだけのまぬけの私が、能天気に述べる感想です。

現時点で、7月11日(土)の昼公演・夜公演を観劇しております。

ネタバレとかそういうことは気にせずに書いておりますので、その辺りもご注意ください。 

再演ということで、どうしても初演の時と比べてしまいます・・・。これはもう仕方がないですよね。

全体の印象としては、今回の方がお話の筋がまとまっていると思います。

初演の時は、シーンごとの内容は濃くて楽しめたし素敵なシーンがたくさんあったけれど、場面がかわるとシーンごとのつながりがないというか、登場人物の行動があまりに突飛に感じること、なぜあなたがそこでそうする???と混乱することが少なくなかった。

今回はその辺りが改善されて、お話の筋は前よりわかりやすかったと思います。

でもその分、前回はステキだったシーンがなくなってたり、同じシーンでもちょっと味気なく感じたりするところもあったかなぁと思います。初演の時は豊富だったファウストのダメ男ぶりは、お調子者だけど憎めないって感じでかわいかったけど、今回はその部分のボリュームが少な目、だったかな・・・。

そのせいか、前回はメフィストが、ダメ男からいい男にかわっていくファウストを認めていく、というか、もしかして好きになってた?って感じがあったけど、今回はそれをそこまで感じなかったなぁ。

でも、今回のオフィストは、わりと最初のころから、後に心中相手となるガブリエルのことをなんとなく意識している感を出したり、ファウストがヴァレンティンお兄様に捕えられてしまう時に助けてあげたそうにしたり・・・と前回よりも内面をチラつかせる演出だったと思います。でも初演の時に印象的だったセリフが今回はなくなっていて残念、というところもあります。

オフィストについて語り出すと長くなりますので、その辺りはまた後ほど。

 

映像を使った演出についてですが、私が観劇した回では、あらかじめ撮影された映像の役者さんと生身の役者さんの掛け合いで、セリフのタイミングがずれる(間違えたとも言う)ということがありました。逆に生身の役者さん同士の掛け合いでは、ちょっとしたセリフ回しの違いに相手がちゃんと応じる、ということがありました。

映像とのコラボの難しさ(そう考えるとアリサマコンでのどこまでHAPPY!!!の映像とえびの融合具合って奇跡ですよね)と生身の役者さんの素晴らしさを感じました。毎回違うアドリブというのももちろんだけど、トラブルをトラブルと思わせずに進める臨機応変さにしびれる、というのも舞台の醍醐味のひとつ、ですね。

ちなみに、私が見た回では、河合くんがいつもは「あほ!」というセリフを「ばか!」に変えてきたのに対応して、五関くんも次のセリフを「ばか」にあわせる、という場面がありました。(どうも、このセリフにはいろいろバリエーションがあるみたいですね)小さいことで、これくらい当然のことなのかもしれないけど、集中して挑んでるんだなって感心しました。

 

キャストについては、やはりベテランの役者さんはすごいなと思いました。王様とオークラン大臣の歌のテクニックについては私はなんだかんだ言える立場ではないけれど、あの歌も、私にとっては老いぼれ感というか、小物感を感じさせる演出の一部として受け入れられましたし、初演の時より悪人らしい設定になった王様はとても貫禄がありました。やっぱり役者さんなんだな、と感心。

マルガレーテも、初演時はただかわいいだけのお姫様って感じだったけど、今回は芯のある姫君に見えました。天使ガブリエルは、前回のミカエルの方が、天使のもつ「爛漫さ」のようなものを感じてかわいかったかな。この二人に関しては演出とか設定というよりかは、役者さんご本人のもつ雰囲気なのかな・・・。

バレンティンお兄様は、実はマルガレーテが好き、という設定になりました。そのためファウストを憎むようになった経緯がすっきりつながりました。ファウストと対決している時、汗が飛び散っていてかっこよかったです。

妖怪ヘレネは、もう、素晴らしいの一言。今回の衣装では、舞台上の階段を上る後姿のおしりがプリップリなのに驚愕しました。

 

そしてそして、メフィストフェレス三田佳子さん。

私は初演の時から三田さんの大ファンです。

贅沢をいうと、初演の時の方が好きかな・・・。

初演の時はダメ男のファウストを叱る場面がお母さん、もしくはヒモ男を養う年上の彼女みたいでちょっとかわいらしくも感じましたね。その辺りから、メフィストってファウストのこと好きなのかしらと思っていました。でも実際の年齢のこともあって、そうでもないか、と思ったり。でも好きだった、と思うと、ファウストの最期の場面を少し艶っぽく、美しく見ることが出来たのです・・・。

メフィストがオフィストに対してはとてもあたたかく、優しいところも私は好きです。バレンティンに捕えられたファウストを助けたいと思ってしまった、でも助けなったオフィストが悩んでいるところに現れて声をかけるメフィストは本当に優しいお母様って感じ。オフィストが天使と刺違える場面でメフィストがつぶやく「オフィスト・・・!」という切ない声には心をうたれます。オフィストを大切に、わが子のように思っていたのがすごく伝わりました。ファウストに「お前はオフィストとガブリエルのことは忘れたんだろう。私は忘却できないのだ」というようなことを言う場面、メフィストの苦しみ悲しみがすごく伝わってきて、私はこの場面で一番泣きそうになりました。

三田さんの歌はテクニックはどうなのかわからないのですが、本当に心で歌っているという感じで胸をうたれました。ファウストの魂を手に取るところも、その表情やしぐさから、あたたかさがじわーっと溢れてくるようでした。メフィストは魅力的で、魅力的に演じた三田さんはすごいと思いました。

それから、単純に、あの御歳で舞台の上を小走りにはしったり、階段を上り降りしたり、1日2公演をこなして・・・すごい体力だなと。女優ってすごいと思いました。

 

ところで、私が感じていた初演の時の最大の謎は、オフィストが大臣にファウストの素性だったか、ヘレネの封印を解くようにだったかは忘れてしまったのですが、とにかく裏切って告げ口をした理由です。私は、これを、メフィストファウストのことが好きになっていて、このままいくとファウストとマルガレーテがめでたく結婚しちゃうから、嫉妬心から阻止しようとしたのかな、と考えてました。もちろん、表向きは「人間の欲の深さを見たいからだ」とかなんとか悪魔らしいこと言って、取り繕ってオフィストに告げ口させた、と。オフィストも、メフィストが、そしてオフィスト自身もファウストを通して人間に魅了されていくのが、我ながら許せなくて、えぇーい、俺は悪魔だ、悪魔なんだ、と暴挙にでた、と。・・・その辺の謎が解けないまま、今回は設定がかわってました。

 

ここまで長く語っておいて、ここから本題。オフィスト、つまり五関くんについてですが・・・ここからは②へ・・・。